産婦人科におすすめの電子カルテシステム8選を比較

医療機関によって特徴があり、当然カルテの書き方も違います。近年電子カルテが主流になりつつあり、そのカルテにもカスタマイズ性や特色があり選ぶ際には一苦労です。これらの電子カルテはコストの安さももちろんですが、保存先がクラウドであるかどうか、検査機器との連携があるかどうかなどの確認も必要です。今注目を浴びているシステムに、どの様な特徴があるのかをご紹介します。導入検討している産婦人科医院関係者は判断材料にしてみて下さい。

 

RACCO産婦人科システム


簡単な問診表に、医師が治療記録を記入する。産婦人科の一般的なカルテでは、情報不足になることが問題でした。患者さんによって治療方法や経過確認が違うだけでは無く、自費・保険内治療を切替て受ける方が多く、簡単に切り替えられるシステムを搭載している必要があります。

RACCO産婦人科システム270は見やすい表示はもちろん、分娩記録など産婦人科特有の記録が残しやすいテンプレートが豊富です。標準レセプトソフトとの連携も可能で、これまで使っていたレセプトソフトからそのまま移行出来るので、別のレセプトソフトを使っていたケースに向いています。

費用に関しては問い合わせフォームからの確認が必要です。

 

エフ・カルテット


2005年にリリースされたエフ・カルテットは、産婦人科医がデザインした電子カルテシステムです。現場の声を取り入れて標準機能には出産予定カレンダー、パルグラムが表示されています。患者へカルテを見せる際に分かりやすく説明する為の説明カード機能もあります。

超音波診断装置や分娩監視装置と連携しているので、診療の効率化に繋がるのがエフ・カルテットのメリットです。デモンストレーションは無料で行っているので気軽に申込み出来るのもエフ・カルテットのポイントとなります。

スタンダード版、ライト版があり、どちらも低コストで導入出来ます。患者さんの理解度を深める為のシステムを求めている医療機関におすすめです。

 

タック電子カルテシステムDr.F


タック電子カルテシステムDr.Fの特徴は紙ベースカルテからの移行が簡単な点です。クラーク・転記が不要なので時短が期待出来るだけでは無く、記入ミスを防げるので安全にも繋がります。

インストールする端末はPCのみ、且つある程度のパワーが必要ですがアプガースコア・分娩入院用アナムネといった周産期専用機能が標準搭載です。不妊治療にも特化したシステムで卵巣刺激カレンダー・融解胚移植カレンダーなどもあります。分娩監視システムや培養管理システムと連携が取れ、患者の負担を軽減しながら治療が出来るのがタック電子カルテシステムDr.Fの大きな強みです。

費用に関しては専用フォームからの問い合わせになります。

 

電子カルテシステム HyMarks Maternity


HyMarks Maternityはこれまで症状のあった病気が自動表示・選択される画期的な電子カルテです。現場から煩わしいと声があがりやすい、検体検査結果の転記もマウスのみの操作で出来ます。

妊婦健診カルテ機能は胎児位置だけでは無く、検査結果・測定値等まで細かに表示されるのが特徴です。外来バースプランと連携しているので、治療行為と相関性を比較しながら計画を立てられます。

ハイブリット型カルテ・システムダウン対策機能もあるので、万が一の際も安心して利用したいと考える医療機関向けです。費用については事前に資料請求、または問い合わせを行ってください。

 

Medic plus


これまでの産婦人科は待ち時間が長いと不満が上がりやすく、それを打破したのがMedic plusです。Medic plusは単に電子カルテとして記入・表示するだけでは無く待ち時間を表示・管理出来るので患者さんが時間を有効に使えます。

マルチアクセスが可能なので、医師・スタッフで同じカルテを参照出来るのも強みになります。産婦人科以外の診療科目にも対応しているので、使い方次第で多くの機器と連携が取れるのが特徴です。

全国各地で導入されているシステムで、デモ依頼も受付しています。デモ利用の後に打ち交わせ・費用相談の流れが一般的です。

 

TPMS


電子カルテといっても簡易的なタイプは、産婦人科には向いていません。産婦人科で必要とされているのは高機能であり、且つ見やすいデータです。

TPMSは周産期カルテだけでは無くハイリスク妊娠で確認すべき事項を網羅しています。グラフ・写真だけでは無くシェーマ機能もあり、紙ベースのカルテと同じペースで記入出来るのがメリットです。

また地域ごとに医療情報連携機能があるので、安心・安全な治療に繋がります。保守点検も自社で行っているので、万が一の際も安心です。より詳細な電子カルテを作成したい医療機関にぴったりです。費用相談はメールから行います。

 

HOPE EGMAIN-RX for Maternity


2015年にリリースされたHOPE EGMAIN-RX for Maternityは比較的新しい電子カルテシステムです。販売価格は3台導入で620万円からとなっています。

このシステムの特徴は妊娠検査・分娩だけでは無く、新生児情報まで一括でまとめられる点です。エコーや超音波と連携しているので、胎児発育曲線が自動生成出来るのも従来には無い機能です。これによって妊婦へ説明がしやすくなり、且つ運営管理の効率化にも役立ちます。

業務負荷を軽減して効率化を目指すクリニックにおすすめの電子カルテです。

CLIPLA Luna(クリプラ ルナ)


電子カルテをリリースしている株式会社クリプラと、女性の健康をサポートしている株式会社エムティーアイが共同開発した電子カルテがCLIPLA Lunaです。2019年4月に発表されたばかりの新しいシステムで、妊娠歴計算・妊婦健診記録が備わっています。

エコー検査機器と連携しているので、胎児の状況をカルテに反映させやすいのが特徴です。出産する医療機関宛に紹介状を作成できる他、服薬情報などの記録・管理も標準搭載されています。

リーズナブルな費用でリリースするのがモットーとしていますが、具体的な価格に関しては問い合わせが必要です。

 

まとめ

産婦人科で利用するシステムは、検査機器と連携している事が重要です。その為、これまでの電子カルテは現場向きではないと敬遠されていました。しかし妊娠検査・分娩管理、超音波やエコー機器との連携によって胎児の状態をデータ反映させる事が出来るようになってきたため、使用する医院も増えてきました。

複数のメーカーが提供していて、どれも高機能なシステムばかりです。患者さんへの説明がしやすくなるだけでなく、運営側が管理しやすい機能を備えたカルテが多くあります。費用に関してはほとんどのメーカーで公開はしていないので、問い合わせするのが無難です。