電子カルテの選び方を教えます

電子カルテといっても多くのメーカーが提供しているので、どれを選べば良いのか分からない。資料を請求して確認しているけれど、正直どれも同じに見える。選び方やポイントを抑えていないと、そう見えるかも知れません。電子カルテは今や導入しているのが当たり前といわれていますが、それは大手医療機関よりの意見です。小、中規模医療機関はまだまだ導入していないところも多いのが現状です。ここでは導入のタイミングやポイントについて触れています。

電子カルテ導入のメリット

従来の紙媒体のカルテから電子カルテに切替るメリットは数多くあります。まず挙げられるのは情報共有がしやすくなる点です。ネット環境があり、許可されている端末であればアクセス可能なのでリアルタイムで情報共有が出来ます。

サーバーで保管しているため、検索をかければすぐに探す事が出来るので、カルテを紛失したというリスクを防げます。情報共有や連携は医療機関内だけではありません。他医療機関、または医師会などにネットワーク上でデータ共有も出来るので、質の高い医療提供にも役立ちます。

電子カルテはいくつかのフォーマットがあり、テンプレート作成が容易なので事務作業の短縮に繋がります。症状や状況を記録し保管しやすいだけでは無く手書きでは読みにくかったり伝わりにくかったりする事を防ぎます。提供しているカルテによってはAIを搭載し、件数の多い疾患や病状を自動でまとめてくれます。事務作業、データベースの効率化をする事で、患者への対応がスピーディになります。待ち時間の短縮だけでは無く診察時間を多く持てるのもメリットです。

そして忘れていけないのが保管する物理的なスペースがなくなる点です。医療機関ではカルテを5年間保管しなければならない取り決めがあり、患者数によっては膨大な数のカルテを保管しなければなりません。電子カルテならサーバーやクラウドに保管するので、紙媒体での保存は不要です。専用クラウドなのでセキュリティ対策もしっかりしており、情報漏えいのリスクを防げる様に徹しているのもデータならではの強みです。

どんなタイミングで電子カルテを導入すれば良い?

これから開業する医療機関であれば、そのタイミングで電子カルテの導入が出来ます。しかし既に開業している場合は導入タイミングが難しく、ズルズルと体制を変えられない医療機関もあります。

導入前に注意して欲しいのが長いスパンで、ゆっくりと着実に行う事です。年度末の決算時期は多忙なため、それ以外のシーズンに始めるのが良いでしょう。

電子カルテ導入前に必ず全体に周知・打ち合わせをして、全てのスタッフに情報を行き渡らせます。その上で質疑応答などをまとめておくと、メーカーと打ち合わせの際に役立ちます。部署や業務ごとにグループを作り、少しずつ仕様やすり合わせをしていくと一気に行わずに済みます。

導入から2~3ヶ月経過した粗利でシステム環境整備を行います。患者さんに渡す電子カルテのテンプレートや文書を作成するのもこのタイミングがベストです。その後、システム操作に関する研修・勉強会を行います。各部門に分かれて行うと不安を残しません。

4~5ヶ月目に差し掛かったあたりで仮想システムを構築したリハーサルを行います。この時点でシステム操作に慣れていないスタッフがいる場合は、個別で指導を行います。運用に問題が無ければ電子カルテの本稼動です。

平均6~8ヶ月かかるプロジェクトなので、焦らずに行うのがトラブル防止のカギです。どうしても不安という場合は本稼動から1~2ヶ月の間は従来のカルテと平行して行うのも良いですが、この場合はスタッフに負担がかかるので十分なケアが必要です。

電子カルテ選びのポイント

実際に電子カルテ導入をする場合、いくつかのポイントを抑えて選ぶ必要があります。

メーカーや予算など様々なポイントがあり迷ってしまう。それよりも先に取捨選択を行うのが先です。それには業務の洗い出しが必要で、不要な業務(機能)は無いかスタッフ全員で話し合います。その上で譲れないポイント(機能)を設定すれば、大きな失敗はありません。

電子カルテにも特性があり、システムの特性を理解した上での導入が必要です。カスタマイズ型のシステムは複雑な設定や運用を得意としています。専門分野に特化した医療機関や大規模な医療機関で使われる事が多いです。パッケージ型システムはある程度型にはまったテンプレートが豊富なので、医療機関側がシステムに合わせるスタンスになります。カスタマイズ型に比べると管理的なシステムなので、初めての導入に向いています。

そして忘れてはいけないのがコストです。導入コストだけでは無く維持費を含むランニングコストを意識しなければなりません。万が一の時を備えてバックアップやメンテナンスにも費用がかかるので、注意が必要です。

選び方はそれぞれですが会計や事務との連携の強さで選択するのも賢い方法です。他システムとの連携が出来るのであれば、事務作業がより短縮され業務自体が効率化されるメリットもあります。

但しシステムによっては連携に制限があったり、限定されたりする可能性もあります。医療機関側だけでは無く患者側の視点で選ぶ事も出来ます。入力のしやすさ、対応しているデバイス、ユーザーインターフェースの豊富さは使いやすさに直結するので、実際にスタッフが使ってみて判断してみて下さい。

機能やスペック以外でも確認が必要

機能やスペックは非常に大切ですが、サポート体制が良くないとトラブルの復旧が遅くなってしまいます。導入する電子カルテメーカーは、トラブル時はどの様な体制でサポートしてくれるのでしょうか?

カスタマーセンターを設けている、あるいは専門業者を派遣してくれる、リモートサポートをしているところもあるので、事前に確認しておくと良いです。導入実績はもちろんですが、口コミなど利用者の意見を元に決めるのもおすすめです。但し口コミを参照する場合、全て鵜呑みにするのではなく半信半疑程度に収めておくのがベターです。

システムの充実さは選び方でも重要なポイントですが、実際に使う医療機関にマッチしたサービスなのか?という部分も大切です。いくら評判の良いメーカーでも、医療機関や設備によっては使い勝手が悪いというケースもあります。この場合は導入する動機と目的をはっきりさせておくと良いです。今回電子カルテの選び方に着目していますが、これらはたくさんの人が動く事でサービスを提供しています。最低でも6ヶ月程度の時間が必要で、その間何度も担当者と打ち合わせを行います。

サービスはなんであっても人と人との繋がりなので、打ち合わせ時の担当者の振る舞いで決めるという手段もあります。こちらの質問を受け止めてくれるのか。あるいは不安を払拭する様にアクションを取ってくれるのか。担当者も人間なので相性もありますが、末永く付き合っていく為にも相性を見極めてみて下さい。

まとめ

導入のタイミングや選び方、注意点などいくつものハードルのある電子カルテは、最低でも6ヶ月の時間が必要です。決算時期や年度末は避け、医師やスタッフをグループ分けして少しずつ落とし込みをしていくのがベストです。

その際に質疑応答をまとめてメーカーへ提出しておくと後々役立ちます。予算や機能も大切なポイントですがサポートや導入実績、口コミで選ぶのも良いです。アフターサービスがしっかりしていると万が一のトラブル時も安心です。