クリニックもブランディング化しないと集客できない?

企業戦略やマーケティングの話題になるとブランディングといった言葉が出る事があります。この言葉はその企業(物事)がこうありたいといったイメージをつける方法で、ターゲットから選んでもらうと言う意味があります。ブランディングには様々な方法があります。テレビCMを含む広告やSNS、掲げている理念やコンセプトも当てはまります。クリニックの競合が多い現代では、うまく患者へイメージを浸透させた上で選んでもらいたいものです。その為の方法を紹介していきます。
患者はここに行きたいというクリニックを選ぶ
どんなサービスでもそうですが顧客(患者)が行きたいと思ったところは、知名度が上がりやすくその知名度がまた顧客を呼びます。クリニックも同じで、人気のあるところは患者が多いです。そもそも「ここへ行きたい」と思える場所は他所と比べて何が違うのでしょうか?
簡単に言えば、サービスで差をつけていることで、患者へそのクリニックのイメージが浸透しやすくなり、それが足を運ぶ理由となります。その差と言うのはクリニックによって違い、治療方法やコミュニケーション・予約の取りやすさなど、様々です。
例えばとあるクリニックでは患者を長時間待たせない為に、WEB予約システムを使って予約管理を徹底し「待たないクリニック」と言うイメージをつけました。その結果「待ち時間がネック」と考える患者が集まりやすくなりました。別の医療機関では高齢患者がメインなので、あえてアナログな方法を選択して患者を安心させる方法を使い、患者の獲得に成功しています。
特に競合の多い土地は、開業当初からブランディングを行わないとイメージが定着せず「行きたい」と思えるクリニック入りにくくなります。ここで理解して欲しいのが、ブランディングと高級感はイコールではありません。診療科目によってはある程度の高級感も必要ですが、そればかりでは患者から支持されないので注意して下さい。
サービスで差別化できないならコンセプトで差別化する
具体的なサービスを提供出来ない、その場合はコンセプトで差をつけて患者の心に残る為に工夫しましょう。歯医者は歯の健康を守る場所で、美容外科は美しさを提供してくれる場所です。そこからもう一歩踏み込んでオリジナリティを出すと良いでしょう。
まずは自身の経営するクリニックは何に特化しているのか、コンセプトが何なのかを徹底的に洗い出しましょう。コンセプトが出来たら今度はキャッチフレーズを作ってみると良いでしょう。キャッチフレーズは耳辺りが良く、且つクリニックらしい清潔感のある響きがベストです。
サイトにキャッチフレーズを乗せるのも良いですし、スタッフへその旨を伝え意識付けさせるのも良い方法となります。大々的な広告を出すのが難しい医療機関だからこそ、コンセプトがよりイメージ付きやすくなります。
口コミやSNSの活用も有効なブランディング手段
ブランディングといえば何かと費用が発生するイメージがありますが、方法によっては低コストでイメージを広める事が可能です。それにはSNSや口コミをうまく使う必要があります。「このクリニックはココが違う。」「こんなサービスを提供している。」といった情報をSNSで定期的に流すだけで良いのですが、ひねりも無い文章を流しているだけでは意味がありません。
クリニック用のアカウントを取得し、同じ業界のフォロワーを作りながら連携して情報を流すと波に乗りやすいです。これは口コミマーケティングと言われ、意図的に情報を広めて患者確保を行います。自身のアカウントだけではうまく広がらない場合はSNSで影響力のある方に協力を仰ぐのも1つの方法です。これらはインフルエンサーと呼ばれ、メディア露出が多い方や人気スポーツ選手などフォロワーが多く様々な方が見ています。但しこれらの手段を使う場合、発信している内容に注意が必要です。
ネットの世界は良いイメージよりも悪いイメージの方が拡散しやすく、尾ひれがついて広がってしまいます。良くも悪くも1度ついたイメージは払拭しづらいものです。こちらが定着させたいブランディングとは違うイメージが定着するリスクも肝に命じておきましょう。
リスク回避の為には口コミマーケティングを行う前にネットリテラシーを学びましょう。これもクリニック経営の1つであると熟知して発信して下さい。万が一風評被害にあった場合は速やかに専門家へ相談して、火消しをしてもらう必要があります。
書籍や講演会もブランディングの1つ
あなたは時折見かける医療機関が開催しているセミナーや講演会に参加した事はありますか?医療従事者以外は参加する機会が少なく、なんとなく硬いイメージではないですか?また書籍を出しているクリニック経営者は凄く稼いでいるに違いない、これもブランディングの1つです。
今説明したイメージは多くの人が漠然と持っているイメージですが、セミナーや書籍を提供している方が作り上げたいイメージになります。クリニック開業したけれど、中々患者が増えない。あるいは利益に繋がりにくい場合「たくさんのクリニックの中の、どれか分からない1つ」になっている可能性が高いです。
とは言っても誰もが気軽に勉強会やセミナー、書籍を出せる訳ではありません。うまくブランディングを行う為にはこれらのセミナーにあえて参加するのも良い方法です。ここで注意して欲しいのがセミナーで言っている事を理解するのではなく、当事者の意識に注目して「どうやってこのイメージを作り上げているのか?」を考えて下さい。
始めの内はその方法を真似るだけで構いません。低いコストでブランディングをしたいのなら、電子書籍であれば経費が発生しないのでおすすめです。
わからない場合は、患者が求めていることに応えるのもブランディングのヒントになる
口コミ・SNS・書籍やセミナー、更にはサービスの差別化全てが難しいし手ごたえが無く何をすれば良いのか分からない。その場合はとにかく患者の求めている事に真摯に取り組む事です。
医療機関は本来、患者の治療を行い健康な状態にする場所ですが、競合が激しくなりマーケティングをしなければ経営が難しくなりました。経営はクリニックを継続していく為に無くてはならないですが、患者を向き合いながらブランディングのヒントを見つけていく事も大切です。それにはまず患者と向き合い、何を求めているかを汲み取ります。カウンセリングの際にヒアリングするのも良いですし、WEBにアンケートとして意見を求めるのも良いでしょう。その上でクリニックに求められているものを把握し、それを実現するには何が必要か?とイメージします。漠然としたイメージが出来たら、更に追求していき強み・弱みを分析すると良いでしょう。
分析の際はSWOT分析といって、機会・脅威・強み・弱みから自社(クリニック)に何が必要なのかを考える方法です。機会・脅威は外的環境から発生するもので、強み・弱みは内的環境といって自ら変更・修正が出来ます。1度だけでは無く常にSWOT分析を念頭においておくと、こちらが提供したいものと患者のニーズが一致しやすくなります。
まとめ
クリニックが持つイメージを定着させるには、ブランディングが必要です。他院との差別化や口コミ・SNSを使った方法、ある程度のコストは発生しますが書籍やセミナー開催など方法は数多くあります。
仮に全て実行するのが難しい場合や、何から始めれば良いのか分からない場合は、患者のニーズに応えながらヒントを見つけると良いでしょう。SWOT分析は強み・弱みだけでは無く外的・内的要因まで理解出来るブランディングにぴったりの分析方法です。